いじめ防止基本方針
盛岡市立大新小学校
Ⅰ いじめの防止等のための対策に関する基本的な考え方
１ いじめに対する基本的な考え方
いじめは，いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し，その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず，不登校や自殺などを引き起こす背景ともなる深刻な問題である。また，最近のインターネットを介した，いわゆる「ネット上のいじめ」は，いじめを一層複雑化，潜在化させている。
いじめの問題は，学校が一丸となって組織的に取り組むことを第一義とし，家庭，地域，及び関係機関等の協力を得ながら，社会総がかりで対峙する必要がある。また，いじめの問題解決には，児童にいじめを絶対に許さないという意識と態度を育てることが大切である。
こうした中，本校は，学校教育目標に掲げる「なかよくできる子ども」，生徒指導目標に掲げる「自他を思いやる子ども」を育むことにより，いじめを生まない環境を築くとともに，すべての児童が生き生きと学校生活を送ることができるよう教育活動を推進する。そのため，全教職員がいじめ問題に対する感性を高め，組織的にいじめの未然防止，早期発見・早期対応に取り組む。
２ いじめの定義
児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為（インターネットを通じて行われるものを含む。）であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
【いじめ防止対策推進法第２条 H25.9.28施行】
３ いじめの基本認識
⑴ いじめは人権侵害であり，いかなる理由であっても許される行為ではない。
⑵ いじめは人間関係のトラブルを機序としているため，いじめられた側及びいじめた側の両方の児童，並びにそれを取り巻く集団等に対し，適切な指導と支援が必要である。
⑶ いじめは教師の児童観や指導の在り方が問われる問題である。
⑷ いじめは家庭教育の在り方に大きな関わりをもっている。
⑸ いじめは学校，家庭，地域社会などすべての関係者がそれぞれの役割を果たし，一体となって取り組むべき問題である。
⑹ いじめはその行為の態様により暴行，恐喝，強要等の刑罰法規に抵触することがある。
Ⅱ いじめの未然防止のための取組
１ 教職員による指導について
⑴ 学級や学年，学校が児童の心の居場所となるよう配慮し，安心・安全な学校生活を保障するとともに，児童が互いのことを認め合ったり，心のつながりを感じたりする「好ましい人間関係づくり」に取り組む。
⑵ 自己有用感や自尊感情を育むため，児童一人一人が活躍し，認められる場のある教育活動を推進する。
⑶ すべての教師が分かりやすい授業を心がけ，基礎基本の定着を図るとともに，学習に対する達成感・成就感をもたせる。
⑷ 児童の豊かな情操と道徳心を培い，心の通う対人関係能力の素地を養うため，すべての教育活動を通じて，道徳教育及び体験活動の充実を図る。
⑸ いじめ防止の重要性に関する理解を深めるため，道徳，学級活動等の充実に努める。
２ 児童に培う力とその取組
⑴ 自分も他人も共にかけがえのない命を与えられ，生きていることを理解し，他者に対して温かい態度で接することができる思いやりの心を育む。
⑵ 学級活動や児童会活動などの場を活用して，児童自身がいじめの問題の解決に向けてどう関わったらよいかを考え，主体的に取り組もうとする力を育む。
３ いじめの防止等の対策のための組織
⑴ 校長，副校長，主幹教諭，教務主任，生徒指導主事，学年主任，担任，特別支援コーディネーター，養護教諭等
⑵ 取組内容として
① いじめ防止基本方針の策定，年間指導計画の作成
② いじめに関わる研修会の企画・立案
③ 未然防止，早期発見の取組
④ アンケート及び教育相談の実施と結果報告
４ 児童の主体的な取組
⑴ 好ましい人間関係づくりをねらいとした児童会行事設定（スクールコンサート等）
⑵ ロングの昼休みの活用提案と奨励
⑶ 全校縦割り班清掃の指導
５ 家庭・地域との連携
⑴ 児童及び保護者の「いじめアンケート」を実施し，その結果を校報，ＰＴＡの各種会議，地域懇談会等で，実態や指導方針について説明を行う。
⑵ 校報等でいじめの問題についての保護者の意見を紹介する。
６ 教職員研修
いじめの防止等のための対策に関する校内研修を年間計画に位置付けて実施し，いじめの防止等に関する教職員の資質向上を図る。
⑴ いじめ問題を含めた生徒指導関連研修会を年１回実施する。
⑵ いじめ問題への取組についてのチェックポイントによる自己診断を年１回２学期始めに実施する。
Ⅲ いじめの早期発見のための取組
１ いじめの早期発見のために
⑴ いじめや人間関係のトラブルで悩む児童が相談しやすいよう，日頃から教職員と児童が信頼関係を築くように心がける。
⑵ いじめは大人の見えないところで行われるため，授業中はもとより，休み時間，放課後においても児童の様子に目を配るように努める。
⑶ 遊びやふざけ合いのように見えるいじめなど，把握しにくいいじめについても，教職員で情報を交換しながら発見に努める。
⑷ いじめの兆候に気付いたときは，速やかに予防的介入を行う。
⑸ 地域や関係機関と定期的な情報交換を行い，連携を深める。
２ いじめアンケート及び教育相談の実施
いじめを早期に発見するため，児童や保護者からの情報収集を行う。
⑴ 児童を対象としたアンケート調査・・・年３回（６月，１１月，２月）
⑵ 保護者を対象としたアンケート調査・・・年１回（１１月）
⑶ 教育相談を通じた児童からの聞き取り調査・・・随時
※ アンケート用紙は、少なくとも５年間は保管する。
Ⅳ いじめの問題に対する早期対応
１ いじめに対する措置の考え方
⑴ いじめを発見したり，通報を受けたりしたときは，特定の教職員が抱え込むことなく，速やかに組織的に対応する。
⑵ いじめられている児童及びいじめを知らせた児童の身の安全を最優先に考えるとともに，いじめている側の児童には，教育的な配慮の下，毅然とした態度で指導にあたる。
⑶ いじめの問題の解決にあたっては，謝罪や責任を問うことを主眼に置くのではなく，社会性の向上等，児童の人格の成長に主眼を置いた指導を行うことを大切にする。
⑷ 保護者の協力を得て，関係機関・専門機関と連携し，対応にあたる。
２ いじめの発見・通報を受けたときの対応
⑴ いじめを発見したときは，その場でいじめの行為を止めさせ，事実関係を明らかにする。
⑵ いじめを発見したり，通報を受けたりしたときは，速やかに「いじめ対策委員会」を開催し，校長以下すべての教員の共通理解のもと，役割分担をして問題の解決にあたる。
⑶ いじめられている児童や保護者の立場に立ち，関係者等からの情報収集を行い，事実を確認する。
⑷ いじめの事実が確認された場合は，いじめをやめさせ，その再発を防止するため，いじめを受けた児童及びその保護者に支援と，いじめを行った児童への指導とその保護者への助言を継続的に行う。
⑸ いじめを受けた児童が学校生活に不安を抱えている場合，複数の教職員で見守りを行うなど，いじめられた児童の安全を確保する。安心して授業を受けるために必要であると認められる場合は，保護者と相談し，一定期間，別室等において学習を行わせる措置を講ずる。
⑹ 教育上必要があると認めるときは，学校教育法施行規則第２６条に基づき，適切に，児童に懲戒を加える。
３ いじめが起きた集団への対応
⑴ いじめを見ていた，あるいは知っていた児童に対して，自分の問題として捉えさせる。
⑵ 学級等当該集団で話し合いを行うなどして，いじめは絶対に許されない行為であり，当該集団から根絶しようという態度を行き渡らせる。
⑶ 全ての児童が，集団の一員として，互いを尊重し，認め合う人間関係を構築できるような集団づくりを進めるよう，教職員全体で支援する。
４ 警察との連携
犯罪行為として取り扱われるべきいじめについては，盛岡市教育委員会及び所轄警察署と連携して対処する。
５ ネットいじめへの対応
⑴ インターネット等を通じて行われるいじめを発見したり，通報を受けたりした場合は，「いじめ対策委員会（生徒指導委員会）」で情報を共有するとともに，被害の拡大を避けるため，盛岡市教育委員会と連携し，プロバイダなどに情報の削除を求める。
⑵ 児童の生命，身体または財産に重大な被害が生じるおそれがあるときには，直ちに所轄の警察署に通報し，適切な援助を求める。
⑶ インターネットの利用環境は，パソコン，携帯やスマートフォン等が大部分であることから，その利用の危険やトラブルの実態等を周知し，家庭の協力を得る。
６ いじめと思われる状況がクラスに出現した場合の具体的対応
⑴ 担任は，自分の学級にはいじめがあるということを前提に，絶えず児童を観察する。
＜対応の５原則＞
① 「いじめは絶対に許さない」 → 毅然とした態度で臨む
② 「いつでもどこでもどの子にも起こりうる」 → 危機意識を持つ
③ 「児童生徒の発する小さなサインを見逃さない」 → 早期発見，早期指導に努める
④ 「ふれあいの機会や場面を多くもつ」 → 児童理解に努める
⑤ 「すべての教師で指導にあたる」 → 情報を共有する
⑵ 子どもや保護者から訴えがあった場合 → 訴えがあった場合は100%受け入れ，いじめとして捉え対応する
⑶ 兆候が見られた場合 → 注意深く観察（学年主任・生徒指導主事へ連絡）
該当児童から話を聞く（事実関係を正確に把握する／別々に聞く）
いじめと判断された場合
↓
担任・学年主任・生徒指導主事と三者で協力しながら正確に事実確認をする
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いじめ対策委員会（生徒指導委員会）－ 校長・副校長・主幹教諭・教務主任・生徒指導主事
・学年主任・担任・特別支援コーディネーター
・養護教諭
対応策を練る
① いじめる側への対応
② いじめられている側への対応
③ 周りの児童への対応
④ 保護者への対応
↓
役割分担に沿って対応する
↓
定期的に状況を把握しながら対応策の練り直しをする
